私の父は、私が求める前から、私に必要なものを知っておられます。
神の超自然的な知識と知恵は、イエスの地上でのミニストリーを通して現されましたが、おそらく、イスカリオテのユダへの対応ほど明確なものはなかったでしょう。弟子たちがイエスに、「私たちは、あなたが神の聖者[キリスト/メシア]であると信じ、また知っています」(ヨハネ6:69)と言った時、イエスは、メシアは自分の仲間の一人から裏切られることになる、と答えました。「『わたしがあなたがた十二人を選んだのではありませんか。しかし、あなたがたのうちの一人は悪魔です。』イエスはイスカリオテのシモンの子ユダのことを言われたのであった。このユダは十二人の一人であったが、イエスを裏切ろうとしていた」(ヨハネ6:70―71)。聖霊によって、イエスはユダがご自分を裏切ることを、ユダ本人が知る前から知っていました。
それでも、ユダはイエスにそれを行いなさいと言われるまで、自分の計画を実行に移すことはできませんでした。最後の晩餐で、イエスはご自分の弟子たちに「あなたがたのうちの一人が、わたしを裏切ります」と警告しました(ヨハネ13:21)。弟子たちから誰が裏切るのかと問われると、イエスはこう答えました。
「わたしがパン切れを浸して与える者が、その人です。」それからイエスはパン切れを浸して取り、イスカリオテのシモンの子ユダに与えられた。ユダがパン切れを受け取ると、そのとき、サタンが彼に入った。すると、イエスは彼に言われた。「あなたがしようとしていることを、すぐしなさい。」…ユダはパン切れを受けると、すぐに出て行った。(ヨハネ13:26-27、30)
イエスご自身から「しなさい」と言われるまで、ユダは自分の計画を実行できなかったという事実に、私は畏怖の念を覚えます。この場面全体で主導権を握っていたのは、裏切る者ではなく、裏切られるお方だったのです。
【祈り】
父なる神さま、あなたが私を完全に知っておられることを感謝します。イエスさまは、全知の神の超自然的な知識と知恵を現したことを宣言します。私の父は、私が求める前から、私に必要なものを知っておられます。アーメン。